再び店の名前が浮かび、もうこれは絶賛されること間違いなし!と鼻息荒くミストン先生に伝える。
が、しかし答えは「意味は良いが、まだ売れる名前ではない」だった。
タワシの気持ちはチーン。
…になる予定だった。
なのになぜか悔しいけれどワクワクしたのだ。
タワシは頭がおかしくなっちまったのか?
いや、これはつまり史上最高だと思った名前が既にここにあるっちゅうのに
「まだそれを上回る名前があるぞ、オレは知ってる。探せ、タワシ!」
ということなのだ。
最高の上の最高ってそんなの意味がよくわからんじゃないか!
しかし商売繁盛は確定じゃないか!
どこかにそれがあるならなんとしても見つけたる!
ミストン先生には経験と知識に加えて確信があるのでタワシはとても安心するのだ。
そして「否定」しない。
「それじゃない」という言葉は「君は持っているのに他のものを選んでいる」というニュアンスがある。
そうじゃない言い方をする人間もいるが、ミストン先生にはそのニュアンスしかない。
それが意味するところは、裏を返せば「君は正解を手にしているんだよ。」なのだ。
だからテンションが上がって上がって下がらなくて困るのだ。
タワシはできる!と言われた気になるのだ。
人は弱いから、きっと心底否定しちゃあいけないのだ。
「あなたが今した事、してる事は違っているけれど、あなたは正解もちゃんと持ってるんだよ。だからもう一度、よーく自分の中を探してごらん。」
そう言われたら人は誰もが安心して強く優しくなれるんじゃなかろうか。
そんな気がする昼休みなのだ。
雨が降り、季節は梅雨に向けて準備段階に入っているようである。
大嫌いな夏をやり過ごせばもう、すぐ大晦日だ。
MISIAがドッカンドッカン歌を歌ってタワシの目ん玉からは涙がポロリンチョ。
涙が乾いた頃には年が明ける。
そしたらまた手を震わせながら0時ぴったりに一陽来復様をお祀りするのである。
ハハハァ。
そん時には何かが実現していて、何が課題で何をするのか明確になっていてくれ。
今より右肩は上がっているはずだ。
淡々と、徒然ながらチビチビと進むのだ。
さて。
まずはミストン先生がくれたまた別の重要課題をしっかり考えて考えて答えを出すぞ。
あー、忙しい忙しい。