朝、目が覚めるとなんか視界が横一文字である。
あれ。
そそくさと洗面所へ行きミラーをウォッチ。
おやや。
遮光器土偶がいるではないか。
昨夜ちょろまかした大量のぬれ煎餅のせいか、その後喉カラッカラで飲んだ大量の水のせいかわからんが、ナトリウムとカリウムがうまいこといかんかったんだろうか、とにかく朝起きたら今日のタワシはコメディーだった。
ついでに頭もカッパになっていた。
こうなったらもう、本日はベッドでYouTube三昧といきますか、とほくそ笑んでいたのだけれど土偶の中のタワテンシがどっか行きなさいよ、と言ってしつこい。
つうことでフェイマスな神社へGOである。
歩いて1時間と40分くらい今のタワシにはどうってことないのである。
てくてく歩く。
ゴールが見えない田んぼの中をてくてく、てくてく。
おなかのことは考えないように考えないように歩く。
しかしやっぱりもうダメかもしれない、どなたか助けてくだはい、と思い見上げた電信柱にキリスト教会 この先→という文字が。
ここなら、ここなら貸してくださるにちがいない…と思った矢先に
「す、すみません。お手洗いを拝借できますでしょうか…」
「あらあら、どうぞどうぞ。お入りください。」
○○○
「ありがとうございました」
「いいえ。こんな、何もないところを。どちらへいらっしゃるの?」
「神社へ…」
いやややや。
許されるだろうが礼儀としてそれは言えんぞ、タワシ…とイマジンし、諦める。
ここはひとつ精神力のみで乗り切ったる。
タワシガンバリ神社へとうちゃこ。
しっかりお参りをしてもと来た道をてくてく歩く。
さっきおじたんにおはようございますを言った一風変わったお家だ。
あれ。
看板らしきものは見当たらないが「本日貸切」という札が下がっている。
お店だろうか、と門の中を覗く。
赤い首輪の犬と目が合う。
犬…と思うや否や赤い首輪はしているが鎖に繋がれていないフリーダムなその犬がワンワンワンワンと叫びながらどえらいスピードでこちらへ走ってきたぞ。
噛まれる、とオモタ。
一瞬で真後ろにいるし。
噛まれて狂犬病になったら死んでまう、と本気でオモタ。
ガルルルルっつってるし。
恐らく肝っ玉と言われるであろう玉がキュキュッと縮こまるのを感じた。
振り返らず、揺れず、ひたすら歩いた。
歩いた。
助かった。
ツイてるねぇ、タワシ。
ホテルへ戻ってミラーを見るとお目目はなおっていた。
万事休すと思いきやの一時が万事うまくいく。
ウェイ。
それではみなはん、また明日。
この場所で。