奇妙奇天烈

会わないことが壁になるかどうかというと、そんな事はないんじゃないか、とふと思ったのだ。

恋人同士はちょっとわからん。

今は友達についてである。

ユニークさんと毎日メッセージのやり取りを始めてどれくらい経つんだろうか。

メッセージを遡ろうと試みてみたけれど毎日過ぎて果てがなくて面倒でやめた。

知り合いというにふさわしくなってから、別段個人的に話したりしたこともないまま何年も経ったと思う。

とある場所で、タワシの大好きな、ロマンのあるオカルトについてみんなでワイワイ話そうじゃないか、という趣旨のオンライン上での集いを月一くらいでやり始めたらそこに毎回現れたのがユニークさんだった。

なんつったって彼女は魔法使いだから、来ないわけにはいかなかったんだろう。

インターネットに詳しいわけではないし、画面の向こうにいる人が本当にそのままの顔をしているのかわからないと思っていた。

ユニークさんは本当に美しかった。

だから絶対嘘だと思っていた。

インターネットを使えば嘘の顔をくっつけられると本気で思うくらいに電波に疎いのだ。

以前も書いた気がするが、初めて会った時、はじめましても何もなく「このトレーナー、最近、大のお気に入りなんです。」と真緑色でなんの変哲もない大きめのトレーナーを引っ張るように見せてきたので、そしてそれがなぜお気に入りなのかわからないくらいただの寝巻きみたいなトレーナーだったので、キョトンとしたのを覚えている。

あれ、初めてはいきなりメッセージが来て、近くにいるんですが会いませんか、だったかもしれない。

とにかく変わった人だなぁと思ったけれど、言う事がヘンテコだったのですぐに馴染んだ。

顔は嘘でも何でもなく、何なら画面越しよりも美しかった。

美しさにおいては、単体で輝くことはないと思っている。

持論だが。

ユニークさんにおいてはヘンテコが過ぎて、この顔でいちいちものを言う得点はどこにあるんだろう、という意味で美しさが際立ったのだ。

つまり盛大なヘンテコのちょっとした装飾として美しかった。

会って楽しく話したが、それでもそれから遊ぶわけでも全くなく今まできている。

そのくせほとんど毎日「おはよう」とメッセージをくれる。

くれるんだがとにかく唐突なのに先がないものばかりなのだ。

三連休は何するの?とか今日の夜ご飯は?とかそういう類の文章の後には普通は、じゃあ会おっかとか、じゃあご飯でも食べようよ。

とかそういうやつがくるはずなんだが、未来はいつもない。

だがおかしなもので未来がない感じが心地よい自分がいる。

「約束」は、ある意味とても気がかりで、約束したばかりにそれが嬉しかろうが嫌だろうが同じように心にぶら下がって気持ちが悪い。

そういう事がないとわかってする会話は正直になれる。

さらになんか仲良しな気もしている。

そうなると仲良しの定義は100通りだな、と思う。

仲良しって案外ムズイ状態だと思うので結構な発見なのだった。

 

それではみなはん、また明日。

この場所で。

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