愛着

フレンチトーストを作る時に1番ムズイのは、パンの数がいつもと違う時にシュガーをインする量がからっきしわからなくなるということである。

出来上がったフレンチトーストにハニーとシナモンをぶっかけるので甘くないぶんにはまだいいが、既に甘過ぎた時にトッピングのバランスが崩れるのがすごく嫌なのだ。

絶対にハニーをぶっかけたいのだから。

まぁそんなどうでもいい話を置いたところで次の話もどうでもいいという土曜日なわけだが。

今日もせっせと製本教室に通う。

4冊作った和装本のケース作りである。

4回目にして慣れてきたせいか、真剣にやっている後ろのほうから急に大きな声で「あー!ダメダメダメダメ」と言われてお尻が浮くほどびっくりすることもなくなり一気に仕上げた。

見本を見せていただいた時は心が躍ることもなく、次はこれをつくらなきゃならんのだな、とだけ思っていた。

しかし寸法を計り、ボール紙を切ったりしていくうちに愛着が湧くもので、しまいには仕舞えばリュックに入るケースをわざわざ片手に持って「見てよねぇ。」と言わんばかりにチラチラ見せびらかしながら帰ってきた。

愛着とは愛の着地点ではなく愛の付着なんだな、と気づいた。

愛は芽生えるんじゃない。

もともと自分の中にあった何らかの感情が着手しているうちに愛着として付着するものなのだ。

自分が作業にコミットすることで引っ付くのが愛着なのだ。

何事にも誠実に着手することが常な人はきっと愛情深いんだろうな、とそんなことを思う土曜、短パンのタワシである。

 

それではみなはん、また明日。

この場所で。

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