金木犀

帰り道。

花の香りか香水の匂いかわからんけれどもとてもいい匂いがしている。

いい匂いは大好きだ。

ところで今夜、やっとこさiPhoneシックスティ〜ンのカバーが届く。

待ちに待っていたのだよ。

すべすべしたiPhoneシックスティ〜ンは乾燥気味のタワシの手からよく滑る。

だからせっかく買ったのにおちおち使ってらんなかったのだよ。

大事なものを守るってのは大事である。

たとえそれがちょっとおかしくてもね。

大切にしないと壊れてしまうのだから。

自分で自分を守ることも大事だ。

例えば期待。

期待というのは、人をまるで自分の分身だと思うから裏切られたと感じるわけで、自分ならこうするのになぜしない、なぜ言う、言わない、と思った時に裏切られた気になるのだ。

しかし「誰か」は自分じゃないので思っていたような事になるわきゃないのである。

裏切られたと思う時、あぁ、アイツはクズだったのか、と思ったほうが自分に優しい。

裏切られるようなかわいそうな自分だったのではなく、クズとすれ違っただけ。

数ある幸運のその中のひとつの不運だった。

それだけだ。

ずいぶんひどい言いようだが、そう思うくらいはいいじゃないか。

巷にはインスタントの優しさテンプレートがゴロゴロと転がっている。

どれもこれも聞いたことのあるような薄っぺらくて美しい言葉たちだ。

しかし優しさはしつこいくらいにしぶといものだと思っている。

即席ですぐに去っていくようなものじゃない。

安っぽい美しさに惑わされるな。

そんな事を常々思っている。

べつに今日、特別に何か嫌なことがあったわけじゃあない。

なんなら嫌なことのない素敵な1日だった。

いつでもタワシのへそは曲がっている。

そんな人間なのである。

 

それではみなはん、また明日。

この場所で。

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