今日は疲れた。
午前中に面接を受けてからママンの用事に付き合う。
ひたすら歩いたのでひたすら疲れた。
メガネと短パンとタオルを新調したいという。
メガネ屋の店員さんはとても丁寧で親切な接客をしてくれた。
だがそりゃ彼もビジネスだもの、これをつけるとより眼にいいですよ、とかこれをつけると傷がつきにくくなりますよ、とかマニュアル通りおすすめしてくれるわけだ。
ママンは「良いというなら良いものなんだろう。あたしゃ素人でわからんからじゃあよろしくお願いします人間」なので、店員さんが説明をしてくれる度に「大丈夫です。なしで。」と不必要と思われるアドバイスはタワシがバッサバッサと切り捨てた。
それでも嫌な顔ひとつせずに真摯に対応してくれた若いボーイには本当に感謝である。
だがしかし、ママンの買い物にはタワシがついていかねばと確信する。
ママンの財布の紐をキュキュッと締めなきゃならん。
これは嫌だあれも嫌だこれも欲しいあれも欲しいというわがままレディーをなんとか納得させて短パンもタオルも買って帰り道、もうだいぶん日は暮れ始めていた。
そしてぽつんと「あのメガネ屋の店員さん、ハンサムボーイだったねぇ。」とママンが言った。
ハンサムボーイて。
久々すぎる。
ロンサムボーイ、ポッシュボーイ、ページボーイ、ボーイのテーマ、ボーイジョージと数あれど、この先の人生で使うならタワシもハンサムボーイを使いたい。
ご近所さんから電話がきて、イチゴを貰いに行ってくると言って道を曲がったママンはまだ帰らない。
あの人はずっと誰かと喋るのだ。
いつもずーっと喋るのだ。
お腹が空いて昼ごはんを食べたい時も夕飯前もいっつも誰かと立ち話をしているのでパパンもタワシもどんどん不機嫌になっていく。
どっちもどっち。
困ったもんだ。
それではみなはん、また明日。
この場所で。