以前にも書いたが、通勤でひとつの電車に30分ほど乗るので、到着の1分前にアラームをセットして、大体寝る。
他の人の迷惑になってはいけないと思い、何も聴かなくともイヤホンをつけている。
そうすれば、アラームの音は私にしか聞こえないからだ。
と、
そう思っていたのだが、しくじった。
昨夜8時間ほど寝たので小さなお目目はパッチリで、降車駅のだいぶ前に目が覚めた。
イヤホンはつけていた。
降車1分前。
アラームがなる。
イヤホンからではなく携帯電話のスピーカーから鳴っている。
まさかの迷惑ヤローであった。
これはよくある
「そんなつもりじゃなかったが事件」だ。
昔、当時の会社の同僚が話してくれたエピソードが面白くて、今でも時々思い出す。
彼は小さなアパートに住んでいて、大家さんともそれなりに親しくしていたようで、何かと世話を焼いてくれたのだそう。
自転車は、大谷さんの駐車場の端っこに置いておいていいと言われて、そうしていた。
ある日、彼の自転車が忽然と姿を消した。久しく乗っていなかったらしい。
どうにも困って大家さんのところへ行き
「あの…、そこに停めてあったじてん」
まで話したところで大家さん、
「あぁ、あのボロボロの自転車ね、捨てておいてあげたよ〜」と笑顔で言ったそう。
彼は、嘘だろ!?と思いながらも大家さんに
「あ、ありがとうございました」とお礼を言ってとぼとぼ帰ったらしい。
だから今俺には自転車がないんだ、と言っていた。
結局、大家さんも彼もそれぞれに「そんなつもりじゃなかった」んだろう。
彼のボロボロの自転車は、命半ばにしてスクラップという悲しい結末を迎えたが、私の人生では今もなおユーモアがあってちょっと切ない自転車として現役だ。
人生はいつでもごちゃ混ぜだ。
その中のどれを取り出して笑うか、泣くか。
それは自分次第だ。
明後日のハナキンは今年最後の都市伝説。
信じるか信じないかは時と場合による。