雨が好きなんて羨ましい。
時々いる。
雨が好きな人。
100歩譲って今日は外に出ないと決まった日に窓の外でバケツをひっくり返したような雨を眺めるのは嫌いではない。
むしろお菓子が食べたくなる。
いや、お菓子はいつも食べたいか。
だって肩も鞄も靴も靴下もズボンも膝までびしょ濡れになるんだから嫌いだ。
雨はたいてい真っ直ぐ落ちてはくれない。
我々が歩いているせいだろうか。
とにかく傘をさしたって斜線になった雨がぶっ刺さる。
どうしたらいいんだろう。
できるものなら雨を好きになりたいのだ。
風呂はいいのに雨はダメ。
う〜ん。これはつまりあれだな。
せっかく肌はウォータープルーフなのに、わざわざカッパを着てしまうからだな。
カッパとて絶対湿るからだ。
湿気が気持ち悪いわけだ。
そうだそうだ。
だから梅雨だけじゃくて夏も気持ち悪いんだな。
「湿」は体にもよろしくないのですぞ。
よって、肌がカサカサになろうとも、夜が一目散にやってこようとも、それから正月には姪っ子らにお年玉を奮発しなきゃあならなくとも、私はカリッコリに乾いた冬が好きだ。
今世は雨を好きになる事は諦めることとする。