情と触

何も起きていない朝っぱらから徒然ようと頭をフル回転させている。

 

目を瞑って眉間に意識を集中する。

ぼや〜っと何かが見える。

しかし霧がかかってよくは見えない。

大まかに見えるそれは感情と感触の距離感についてである。

 

例えば今日は何をやってもうまくいかない。

それはなぜだろうと考える。

昨日友達とケンカして気分が落ち込んでいるからかとか、朝バターをたっぷり塗った食パンを床に落としたことを引きずっているのかとか。

私はどんな出来事に自分の感情を持ち逃げされたのかと、予想できる範囲で事の成り行き、出来事そのものを回想し始める。

 

しかし。

もしも原因が単なる感触の記憶の蓄積から来るものだったとしたら?

出来事そのものに関係がなかったとしたら?

 

つまり友達とケンカしたしパンを落としたけれど、それらが原因で今日の自分が何をやってもうまくいかないというゾーンにいるわけではないのだ。

 

単なる私の妄想なので適当に聞き流していただきたいのだが。

 

朝起きて歩いた床がいつもより冷たかった。

たっぷり塗りすぎたバターがパンを掴んだ時に指に垂れた。

ちょうど靴のベロに当たる部分で靴下が皺になっていて歩くたびに当たった。

例えばそういう些細だけれど不快な感触がいくつも重なることが、思いのほか自分の感情を大きく不愉快にさせているのではないか。

 

冬の上着の重さや、マウスを持つ手に入る微妙な力の継続、ストレスで力が入りっぱなしの肩、そういう、原因とは思えない理由で酷い肩こりになるように。

 

本当は、私は何を思っているんだろう。

不快な感触が自分の本心にへばりついて見えないし触れられない。

敏感すぎて本心に辿り着けない。

だがしかし鈍感にはなりたくない。

 

なら仕方ない。

 

タワシよ、思考を止めるな。

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