朝からさて今日は何を書くべかな、と薄らぼんやり考えていた。
とにかく書き始める、というのがどうやらタワシスタイルになりつつあるので、本日もポッドキャストを聴きながら、何となく頭に引っかかる単語をブン取ってそのままフライパンに乗っけて３畳一間の卓上コンロで調理する。
が、何も浮かばない。
困る。
そんな日は呆然と昼休みの無機質な会社の高い天井を見つめている。
考えてみれば天井はガラ空きだ。
人間が逆さまになっても生活ができたら、この狭い世界が一気に２倍になるのに。
店を探さなくともタワシんちの天井を店にできるのに。
人類はまだそこに気づいていない。
もったいない。
そういえば昔、京セラから「SAMURAI」というカメラが出ていた。
35ミリのフィルムの１コマ分を２枚分にして撮るというやつで、12枚撮りなら24枚撮影できるという魔法のカメラだ。
よく考えついたよな。
チャン・リン・シャン。
リンス イン シャンプーてのもあった。
シャンプーにリンスかリンスにシャンプーかは知らないが、１度洗えばシャンプーもリンスもいっちょ上がりの液体だ。
遡れば、半分から右が赤で、左が青という鉛筆もあった。
すごい発想だな、と思うものは大抵お得を味わえるわけだ。
夕方の値引きシールもすごい。
とんでもなくくだらなくつまらない上司の話をすごいと言って聞くのも後々お得なのかもしれない。
お得に飼い慣らされたタワシは「増量」という文字にも心躍る。
「今だけ」にも「これラスイチなんすよ」にも。
こういうちょっとしたお得を知ってしまう事で、本当に欲しいものや分量がわからなくなってしまう。
これは誠に危険である。
これはリアリー・デンジャラスである。
トレインでも待合室でも携帯電話をのぞいてしまうが、本当はタワシは踊りたいのかもしれない。
休日になるとソファーに寝そべり、お菓子を用意してYouTubeを見ているが、本当は餅をつきたいのかもしれない。
歯磨き粉が増量だと喜んでは、いつもより多めに歯ブラシに乗せ、ゴシゴシ磨きすぎて歯を削り取っているかもしれない。
Tシャツがラスイチだろうが、そうじゃなかろうがタワシが欲しいのはズボンなのかもしれない。
すごいとかお得に踊らされてタワシはタワシ自身から遠のいているかもしれない。
いつからタワシはタワシじゃなくなった？
そもそもワタシはタワシじゃない。
人間だ。
まぁしかし、ワタシはタワシを気に入っているけれど。
我思う故に我あり。
ワタシはワタシを忘れない。
チーン。