香水か、どぎつい柔軟剤かわからんがこれはヤバイ。
センシティヴぅ・タワシはもうゲボッときている。
こういう時は自分の着てる服のいい匂いを嗅いで嗅いで嗅ぎまくる。
時には外出先で触れた匂いが、そこを離れてからもずっと鼻にこびりついていて取れない時もある。
匂いが記憶を呼び起こすことはあるが、体が匂いを記憶し、全く関係のない場所でその記憶が嗅覚を錯覚させることなんてあるのだろうか。
体は宇宙だし天才なのでできるのかもしれない。
ひとまずモーニング・トレインはクリアだ。
繊細とは儚げではなく、生き辛さなり。
そんな事をつらつらと考えていたらランチタイムがやってきた。
仕事中くらい
仕事をしろ
ばかものよ
和気藹々と、昨日の、ATMがどこにあるそこにあると話していたら、仲良しのKさんが言い放つ。
「あのATMは昼でも手数料かかるやつですよ。よ。ょ。」
なんですとーっ!!
そんなバカな話があるかい、おい!
それを確かめるために切符を買えと言うのか、おい!
昨日のぽっちゃりハートウォーミングはどこいった、おい!
もうタワシは激オコプンプン丸である。
こうなったら毎月給料日は早退しよう。
手数料のほうが安いじゃないか、おい!
怒り心頭で、ググってみる。
おい、ちゃんとタダではないか!
Kさんは毎日空気を吐くようにガセネタを吐く。
最初から信じるべきではなかった。
それにしてもタワシはなぜ毎分毎分騒々しい?
何でもないような顔をしていつでも頭の中はとっ散らかっていて騒々しい。
たまには眠らせてくれ。
ナイト・トレインはやや混みだ。
トレインっつうのは急激に唐突に揺れる。
潔癖症は他人の物には触れない。
吊り革にも手すりにも。
揺れてもギリギリまで耐える。
しかしそんなタワシの格好はハッキリ言って滑稽だ。
上半身だけがくねくねくねくね前後左右に動く。
アニメならば可愛らしいが実写は滑稽この上ない。
しかし今日も触りたくないのでくねくねくねくね気持ち悪い動きをしていると、前に座っていたカーリーヘアーの外国の方がお優しい。
おっとっとという顔でくねくねに合わせて手を出したり引っ込めたりしてくれるではないか。
なんなんだ、これは。
ミュージカルさながらのハーモニーじゃないか。
もう少しでお友達になりませんか、と言いそうになるのを堪えてうちへ帰ったタワシの夜だった。
今思い出しても笑う。
そしてもう寝る。