日常

川沿い近くの店まで買い物へ出かけたついでに桜の塩梅をチラリズム。

2週間前はまだ、梅干色の蕾がわんさと枝からぶら下がっていた。

今日は2分咲きあたりだろうと油断していたが7分は咲いていた。

満開だった、と嘘をついてしまいたい。

さっそく桜の下を歩く。

そして見上げる。

あぁ、ホントの桜色はこっちだった、と思い出す。

桜味はピンクが過ぎる。

好きだけどさ。

あんなに薄い花びらだから、全体にびっしりと静脈が透けて見えるみたいな青白色のせいで空が寂しい。

これだ。

桜を見ると寂しくなるのは卒業だけが理由じゃあない。

向こうでともだち、呼んでない。

空のせい。

いや、桜における空のせいだ。

川沿いにあるサンドイッチ屋さんでスコーンを買おうとてくてく歩く。

旗をパタパタさせておいてシャッターが閉まっている。

ここのサンドイッチ屋さんは休みの日はいつも休みなのだ。

タワシのような人々が働いているんだろう。

念のため旗は閉まっておいてほしい、とそっと思いながら家路につく。

16時が過ぎた。

遠くから悲しみのファンファーレが聞こえてくる。

しかし今日はブローチを作っている。

ものづくりをしている時は時間の概念がなくなるので、なんとなくまだまだ今日が続くような気がしている。

さてと。

ひと休みをしたらまた手を動かすとする。

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