サラダか味噌汁か。味噌汁だ。

モーニング。

にしてはとんでもなくゆっくりと改札手前でスローなウォーキング。

最近よくこの人が前にいる。

今ここでそのスピードすかっ?のアンニュイさに少々「ムムム」とするタワシ。

せっかちこの上ないのは承知ノ助。

しかしタワシのスピードは急には止まらんわけで必然この人が目前にくる。

すると首にタグが。

右脇にもタグが。

あれれ?

裏表じゃね?

こういう場合、どうするのが本人にとって最善なのか、タワシにはわかりかねる。

しかしまだ朝っぱらだぞ。

もしも一日中誰も何も言えずに時が過ぎ、夜8時。

ふと視界に入った白いものを見て初めて自分が一日中服を裏表で着ていた事に気づいてみなさいな。

そりゃあ落ち込むに決まっとる。

という想像で「トントン」と肩を叩いた。

「あの、たぶんカーディガン裏表…」

するとアンニュイさんの顔が笑顔になった。

「言ってくれて良かった!ありがとうございます。」

タワシも一安心だ。

さて次の電車で始発を待つ。

すると歳のころ60目前あたりのおっちゃんがタワシの斜め前で行儀よく並んでいる。

ちなみにタワシは女性専用車両を利用している。

ん〜。

これ、気付いてないんかな。

と考える。

ぽっちゃり、リュック、姿勢良し、両手をリックの肩紐に添えている。

このスタイルは気づいてない。

よし。

「トントン」

「ん?」

「あの、ここ女性専用車両ですよ」

「え!気づかなかった。ありがとう。」

と言ってスタスタと去っていった。

朝から誰もかれも気づかない。

平和なのか忙しすぎて余裕がないのか。

 

さて。

トレインに揺られながらタワシは余白について考えていた。

余白は大事だな、と考えていたのだ。

ギュウギュウトレインでは人がわんさか押し寄せる。

近づかれるからよける。

するとスペースが空いたとばかりにまたくっついてくる。

よける、くっつく。

よける、くっつく。

いや、もうそこにいてよ、マジで。

と思う。

余白とは「白く残っている部分」だ。

たまたまか、わざとかは関係ない。

ただタワシは余白を意図的に残したいのである。

そこにはそこはかとなく漂う美しさがある。

謙虚さかもしれない。

だいたいスペースは空いたんじゃない。

空けたのだ。

気づいてくれよ。

人の気持ちを推量れないという言葉の中には「相手を傷つける」という意味が、少なからず含まれていると思う。

余白を意図的に作りたいとか言っているタワシが言えたもんじゃないが、どっちでも構わないというくらいの僅差の自分優先と他人優先がある時に、自分を優先してしまう事。

それが人の気持ちを推量れない人、のような気がする。

絶対譲れないとか全然譲れる、というのとは全然違うのだ。

こういう、せっかくのどうでもいい事が目の前にある時に「じゃあどうぞ」を積み重ねられることを徳を積む、と言うんじゃないだろうか。

だからたぶん徳を積む事はそんなに難しくはないのである。

ちょっと戻ってたった1枚のコインを取るためにブリックの下に潜るマリオみたいなもんだ。

たいした労力ではないが、金は金である。

よし、タワシも余白を詰めるな、なんて言ってないで徳を積む。

まずは「お先にどうぞ」だ。

ここから始める事にしよう。

話があっちゃこっちゃに広がって、終えなくなるタワシの夜である。

それではミナハン、また明日。

この場所で。

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