さてさて夏は毎日頭が痛いタワシである。
もうこれは諦めているんだけれど、せめて薬よ、効いてくれ。
痛みの取れない頭痛は「カサブタ剥がしたらチッ、また血が出た」と同類である。
オフィスを出ると生垣に向かってそーっとしゃがんでいる人がいる。
キャットが好きとかそういうこと?と思いながら目線の先をチラ見すると、な、なんとセミが羽化の真っ最中じゃないか!
虫もアニマルもあんましお風呂に入らない生き物が苦手なタワシだし、目を見張るような新緑色かどうかもわからないが、鮮やかな緑色のセミがそこにた。
思わず立ち止まり、既に立ち止まっている人を見るとウン、ウン、と頷いた。
初めて見る生命の変身の瞬間である。
折り曲げた腕のような部分がみるみるうちに羽になり、風でひしゃげるくらいに柔らかいそれはスケルトンだった。
一生懸命がんばっているように見えた。
セミって茶色くないんだ、と初めて考えた。
考えたことがない事は気づかないだけでいっぱいある。
電車の吊り革の高さは日本人の平均身長から割り出しているのだろうか、だとしたら昔より今の方が高いんだろうか。
KIOSKの店員さんはお腹が痛くならないことが採用条件なんだろうか。
なんか不貞腐れた顔つきのおっさんにおはようございます、と言うとだいたい「うん」て言うが「うん」てなんだ。
とかとか今まで考えたことがなかった。
考えたことがない、と知らないは似ていないようだが実は結構似ている。
ごめんと思っているけど口に出さないのはごめんと思ってないに限りなく近い。
同じとは言わないが。
そういう時もある。
しかし。
いつもごめんねもありがとう、も思ってるけど言えないんだよ、じゃねぇのよ。
そんなの内気じゃねぇのよ。
プライドがタワマン並に高けぇのよ。
とタワシはそういう人を見て心の中で怒鳴り散らしている。
口には出さないけれど。
そんでここで書いてるけれど。
ズッチイけれど。
でもいいの。
そんなことはどうでもいいの。
気分は最高だもの。
明日は山頂から三連休を見渡すのだ。
清々しい。
ぜひにアフターランチあたりで週末を眺め、ほくそ笑んでいただきたい。
それではみなはん、また明日。
この場所で。