ずっと溺れているみたいな夏の湿度。
体温と変わらぬ生ぬるい全て。
相当バテている。
サマーにコンプリートで巻き込まれている。
それでもこのスライムみたいな夏の中へ自ら突入し、勝利をおさめていかねば秋は来ない。
人生はいつだって試練の連続だ。
みんな戦っているのだ。
生きるということは既に戦いに巻き込まれているということだ。
なぜなら自分が生まれてきた理由を知る者はひとりもいないから。
放り出されたこの場所で、なぜ生き続けなければいけないのかさえわからないまま、人はまず生きることを選ぶ。
死が怖いから。
痛いや苦しいや辛いのは御免だ。
人は苦痛から逃れるため、生きているのかもしれない。
死の工程が辛いものじゃなければ、死はもっと人々の選択肢の中に紛れ込んでいただろうか。
知りもしない人間に責められることもなかっただろうか。
生きることと死の世界、どっちがマシかはマジわからん。
だが死はワンウェイ・チケットで試しが効かない。
楽しくないことがあり、楽しさを理解する。
みたいにいかないのである。
死について語るからと言って死にたいほど苦しいわけじゃない。
人は生と死の間でしか生きられないから当然考えるだけだ。
与えられた命だから生きるというのは理にかなっていないと思う。
生きてることが辛い人にそれでも生きろなんて、言えない。
生きてる事が辛過ぎて死を選んだその時さえ、優しかった人に申し訳ないと思いながら命を絶つ世の中は平和だろうか。
人が、もっと生きたいと思える世の中を作るために政治があるのか、自分らだけを生かすために政治をするのか。
何も知らないタワシだが、完全なる平和の中で生きてみたい。
まだ知らない平和という世界の線の上なら失敗は許されるだろうし、何かに追い立てられるように冷や汗をかきながら選択することもないと願う。
終点で駅員さんに起こされる。
急いで降りたホームがいつもの世界なのか、違う場所なのか。
誰にもわからん。
毎日通るその道に夏になると咲くさるすべりをあなたは思い出せるだろうか。
人の記憶はどこまで正直だろうか。
それではみなはん、また明日。
あの場所で。
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あの場所……