出勤の際、いつも違う時間の電車に乗る人がいたらなんかすごいと思う。
毎日をリセットできてるっつうか、目的のための手段に囚われてないっつうか。
大抵のヒトは同じ時間の電車に乗ると思う。
タワシも同じだ。
なので毎朝見たことのあるお顔がコニャニャチワ。
会社近くのコンビニや会社のエントランスだってだから似たような人とエレベーターで鉢合わせたりする。
エレベーターでは「人間」がしみじみにじむ。
1番初めに乗ってそのまま奥へ行く人、階数ボタンの前に立つ人、閉まる瞬間に人が走り寄ってきたら開くボタンを押す人、押さない人。
出入りの際に残された我々に会釈する人、しない人。
我先にエレベーターを降りる人、開くを押してお先にどうぞしてくれる人。
エレベーターでのそういう挙動で好きも嫌いもないが、もしもその後向かった場所にエレベーターで会ったその人がいたらタワシならだいぶん近づき方の参考にする。
なんなら近づかないようにしたりする。
そういう細かさを世間は「キモい」と言うのだろうか。
ほっとけ、バカタレ。
である。
会社のエントランスで時々一緒になる知らないその人は、いつもタワシのワンフロア下の階で降りる。
その際必ず閉まるボタンをさっと押して出て行くのでとても感心した。
そんなことを今までやったことはないし、見たこともなかった。
しかもとてもわざとらしくないのが素敵であった。
ところが今日久々に会ったその人は颯爽と「開く」ボタンを押して出ていった。
ウケるやろ。
さり気ない閉まるボタンでタワシのハートをギュッと掴んだのは一瞬か。
世の中には到底敵わないナチュラル・ボーン・チャーミングさんが時々出現するが彼らは心底魅力的である。
人によってそれぞれあるだろうが、タワシにとってチャーミングとは「ひたむきで誠実でいちいちおマヌケさん」な人である。
この三拍子を揃えるのは意志ではなく才能だと思う。
勝てば手に入るメダルではない。
胸に咲くコサージュだ。
どうかユニークでチャーミングな人たちよ、その有り余る才能をもっともっと放出しておくれ、とタワシは願う。
ヘトヘトになった夕方に彼らのナチュラル・ボーン・サムシングはシチューみたいにあったかく、帰ってご飯たーべよって気持ちにさせてくれる。
ありがてぇ。
生きてるだけで見知らぬ誰かを救ってる。
才能の風雲児。
つまりだ。
タワシもユニーク アンド ときどきチャーミングであるからタワシはタワシを応援しているよ、という話なのだ。
自分応援団。
会員番号1番。
会員1名。
わっはっはっはっはっはっはっ。
それではみなはん、また明日。
この場所で。