前にいるおじさんのシャツが白い。
白いんだけど真っ白ではない。
おそらく縦糸と横糸の組み方で、同じ白なんだけどちゃんとチェックに見えるあれだ。
ホテルのシマシマの掛け布団カバーみたいなあれ。
同じものでも、あるいは同じことでも見せる側、聞かせる側の意図や技によって、受け手の感じ方をガラリと変えることができるのはすごい。
おいしいポテトフライを知ってますか。
ジャガイモの長さをゆうに超える長さで、角丸の四角で、コンガリしていてちょっと高いやつである。
どうしたらあんなに長いジャガイモが育つんだろう、なんてずーっと思っていたがきっとあれは違うのだ。
マッシュしたポテトを細長く成形したんだと思う。
ホントかどうかはわからんが。
だとしたら凄い。
ジャガイモを切って揚げるだけがフライドポテトだなんて誰が決めた?
潰したジャガイモだって立派なジャガイモだ。
そういうことだ。
いい意味で裏切っていけたらいいと思う。
ほんの少し、発想を転換する。
シチューにはジャガイモだと思い込んでいたがカボチャを入れると美味さが突き抜ける。
味噌汁にはジャガイモだと信じて疑わなかったがサツマイモを入れると甘く旨くて躍る。
バランスの良いアンバランス。
揺れているものは儚くて美しい。
決して寄りかからず、自分で考えようとしている。
強く美しい。
それではみなはん、また明日。
この場所で。