ダサ丸ダサ之助

答えのないことは常にそこかしこにある。

もしくは自分にはないものだから答えがわからないのかもしれない。

雨が降ると電車が混む。

昔からなぜだろうと思っているが答えを知らない。

いつもなら歩いたり自転車に乗る人が、今日は雨なのか、っつって電車にしたからかな、と思っている。

知らないけど。

ないけど。

今日も吹き付け断熱材のように電車から人が飛び出ている。

そんなところに申し訳なさそうに入る人、諦めて他へ行く人、人がてんこ盛りになってるというのに全く清々しく無表情に人を押し退け入りこむ輩。

まるで、自分以外は人じゃないといった様子で膨れ散らした車内に押し入り、自分と扉の間に挟まって落ちない手提げ袋から化粧道具を取り出し、念入りに目元のメイクを始める。

隣でタワシはグイグイ押されイライラを通り越してオモロくなる。

小さな鏡に映る小さな目に黒とか茶色のペンで何やら描いている。

その視線は自分だけに集中していてここが電車の中で、もはや人間が置かれるべき場所ではない地獄みたいな状況の中にいるとは到底思えない無表情なのである。

涙袋の場所にもなんか描いている。

終点に到着すると猛ダッシュで消えていった。

仕上がりだけが美しさじゃねぇけどな、と思う。

その小さな鏡の中に収まる見え透いたもんが美しさなんじゃないとタワシは思うけどな。

なんなら収まることのない生きる姿勢のようなもののほうを美しいと思うけど。

そう思っている人はあんまりいないんだろうか。てんてんてん。

しかしそんなちっぽけなことはどうでもいいさ。

だって今日は木曜日が金曜日の衣装を着て踊ってるんだもの。

木曜日さん、ありがとう。

3連休を4連休にするためには今日が肝心なのである。

誰も見ていないところでタワシはスキップをする。

楽しさを自分に見せつける。

あぁ『唇よ、熱く君を語れ』が聴きたい。

猛烈に。

タワシの心は泰葉から真知子へとスライドを始めた。

唇よ、熱く君を語れ?

なんてエロいんだ。

女は気まぐれ、沈む黄昏?

韻を踏むにもほどがあるってもんだ。

タワシも今夜は湯船で歌う。

最高だぜ木曜日。

最高だぜ、真知子。

 

それではみなはん、また明日。

眠れない夜も眠たい夜も今日の終わりにNIGAOE Portraitで会いましょう。

登録をどうぞお忘れなく。

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