健診で、大きな病院へ行ってくれと言われて一瞬で目の前の明るさがワントーン落ちた。
なかなか紹介状が届かなかったのでだんだんと現実逃避が始まる。
このまま紹介状が届かなければ健康が保障されるような気すらした。
しかしきちんと紹介状は届けられた。
そしてたしかに何かがそこにあった。
これがなんでもないのか、悪いものなのかはまだわからない、と。
そこで遮光カーテンがザザーッとひかれた。
ここで結構真っ暗になる、一瞬で。
命のことが頭に浮かんでずーっとこびりついて離れない。
ぽ氏と来年の話をしながら、自分、いるかどうかわからんなぁ、と思ったり。
人生で初めて「命」ってものの正体が、自分が今まで見てたのは、命のほんの爪の先ほどで、ザ虎舞竜の「なんでもないよぉなことが 幸せだったとおもぉう」を実感した。
辛くもなく、痛くもなく、苦しくもないならば、死を受け入れられるとずっと思っていたがそんなことは全くなかった。
今自分がどれだけ幸せなのかということがすごくわかって、それを手放すのが悲しいと思ったのだ。
現段階での結果はおそらく大丈夫だが断言はできない、というようなものだった。
と思う。
いろいろ質問したし、先生は優しくいつまでも質問に答えてくれたが気持ちが上滑りして全体的に曖昧にしか覚えられなかった。
不穏な言葉を聞いてから1ヶ月程度で、自分の身体は何も知らなかった時と変わってないのに、気持ちだけが変わり、なぜか現実も変わった。
目の前の色がコロコロ変わった。
そして悪いほうに想像しておくというやり方で平静を保つ自分がいた。
弱いのか強いのかわからん。
人生が気持ちだけでどうにかなるなんて0.1ミリも思わない。
この世に辛い状況は絶対的に存在するし気持ちでそれが解消するならこんな世の中にはなってない。
ただ思いもよらぬことを告げられた時はさっきまでの現実が全く機能しなくなるということ。
気持ちひとつで、恐ろしいほどに。
知らなければ続いていた「普通」の現実が、一瞬で。
暗くなった世界で見えなくなって、いらなくなったものがあった。
暗くなった世界で、より光ったものもあった。
ポンコツタワシには2ヶ月前の延長線では絶対に気づけなかったこと。
一生手放せなかった重要ではないものが見えた。
たぶん。
答えがどこにあるかってマジわからないわ。
「今」に感謝でありまする。
それではみなはん、また明日。
この場所で。