みゆきさん

NHKで中島みゆきの再放送がやっていてなんとなく観てたんだが、まだカラオケというものが一曲100円で、雑居ビルのワンフロアーにユニットバスみたいなボックスがずらーっと並んでいた頃におはこにしていた歌が「悪女」だったタワシはまぁ、この歌をチョイスする時点で周りから「歌上手いね」なんつって言われるタイプだったのだ。

だって自信なきゃ歌わんでしょ。

中島みゆき。

すごく好きなわけじゃなかったけれどベストアルバム『大吟醸』はレンタルCDをMDにダビングしてエンドレスで聴いたものだ。

涙を流しながら聴いていた。

今もバリバリに稼いでいる、なんならずいぶん若い頃から稼いでる上流階級の中島みゆきは、どうしてこんなに普通に生きてる、さらに辛い人生の最中にいる人間の気持ちが手に取るようにわかるのか不思議でたまらない。

上流階級のリアルを知らないタワシが「なぜわかるんだ」というのはずいぶんおこがましいが。

だって満員電車に乗ったり、上司のクッソむかつく指令にyesと言ったり、マウンティング野郎のイミフな自慢に胃がキュッとなったりすることなしにあんな言葉、出てくるもんなんだろうか。

と腕を組み始めた頃に『糸』が流れてきた。

あぁこれ、歌に自信ある芸能人が情緒たっぷりにカバーしがちな歌だ。

ご本人は案外さらっと歌っていて気持ちいい。

本物の凄みここにあり。

「いつか誰かを暖めうるかもしれない」の部分と「いつか誰かの傷をかばうかもしれない」がまた更にいい。

誰かを暖めてあげたい、とか、かばってあげたい、じゃなく、自分が好きでやったことが期せずして誰かを暖めうるかもしれない、かばうかもしれない、と。

このセンスの良さ、最高すぎるだろ、中島さんよ。

なぜそんなに深いのよ。

タワシはだいぶ眠いのよ。

 

それではみなはん、また明日。

この場所で。

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