マブい

駅のエスカレーターを上がると向こうから忙しそうな人が足早に向かってきた。

ポシェット型のスマホケースをぶら下げて。

スマートフォンの角からは最強ビームの光がタワシのお目目をつんざいている。

あぁ、このまま会社に着くころ、この人の充電は瀕死状態になっていて、ライトをつけっぱなしにした自分へも、それに気づいていながら何も教えてくれはしなかった他人どもへも、朝からすこぶる頑張ってんのにライトをonにし続けたのが、なんで目の前のこのクソ上司ではなくアタイじゃなきゃならんのだ、とも、こんな、赤くなっちまった残量じゃ、持て余した余白の間に間にネットで波乗りすら許されないのかオイ、とも、ともかく全てに憤慨し続けることだろう、と一瞬で想像はついた。

なぜならタワシがこの人なら絶対にそうだから。

T-falよりも熱しやすいタワシなんだから。

そしてその発端を他人のせいばかりにするタワシなのだから。

だからなんとなく咄嗟に「ライト付きっぱなしですよ」と声をかけた。

その人の眉間は一瞬で笑顔になって何度もお礼を言ってくれた。

朝からこんなに些細な事で誰かが喜んでくれるんだ、と思った。

素敵素敵のハートやら親指やらも良いとは思うが、果たして心に灯りは灯るのか。

改札口で手こずり困ってしまった人に声をかけたり、目の前に立っている高齢者に席を譲った時に貰えるありがとうには自分を肯定できるなんかが潜んでる。

毎日ブログを更新しているアタイが言う事じゃない気もするが、そんなものをぜ〜んぶ棚に上げて思うのは、まったく生きづらい世の中だよ、だ。

 

それではみなはんまた明日。

この場所で。

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