8月、団地のベランダ、蝉とランニング

今回の風邪っぴきですごくすごく思い知らされた咳の影響力。

花粉症なもので鼻水クシャミには散々困り果てていたが、咳っつうのは珍しかった。

とにかく今回は風が吹くと鼻がモゾモゾし、モゾモゾが咳を生む。

だからオフィスでも扇風機を顔に当てないように、うちでは頭の上に吹くようにしていた。

しかし昨晩は熱帯夜。

暑い。

ここでクーラーをつけたまま寝て風邪をぶり返させてはいけない。

扇風機とて起きている時にはあまり感じない風の流れが、床に布団を敷き、横になっていると猛烈に感じるのだ。

天井近くに向けた扇風機の風は部屋中を走り回り、床スレスレタワシの鼻にまで吹き荒れるのだ。

これでは咳が止まらない。

どうしよう。

しかし暑くてどうやったって寝れねぇ。

もういい。

それでも風よ吹け。

扇風機よ、スイッチオン。

早速鼻がモゾる。

咳が出る。

やっぱ寝れねぇ。

目を瞑ったままイライライライラしていると頭に映像が浮かぶ。

夏真っ盛り。

団地の窓にぶら下げた風鈴。

風が吹く。

チリンチリン。

あぁ、この世は大宇宙、身体は小宇宙と習ったがまさにまさにではないか。

鼻という窓辺から風が入り込み、鼻毛なのか器官のどこかなのか、肺の先っちょなのかわからんが、そんなところをゆさゆさ揺らす。

揺らされて鳴るチリンチリンが咳だったのだ、と思う。

そんな事を考えていたら目が覚めた。

朝。

あれ、いつの間に。

そして昨日より風に強くなってる自分がいる。

さらに昨日より声が出る。

明日の朝の自分の予想もできないタワシに将来の予想などできるはずはない。

だったら今日をカッコ良く生きるしかないじゃないか。

満員電車で後ろの人が寄りかかるようにくっついてきて、タワシはすかさず睨みつけながら思う。

カッコ良く生きるのはムズいよね。

できたらカッコ良く生きたいな。

まぁそんな感じ。

それでも今日はご褒美の金曜日。

シェイシェイ。

 

それではみなはん、また明日。

この場所で。

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