夏が嫌いだ。
暑さも湿気もビーチも喧騒もエアコンのカビ臭さも何もかも嫌いだ。
唯一、夜まで明るいのだけ大好きだ。
はやく夏よ終わっておくれと指折り数えて待っている。
Tシャツを販売しといて何だが、半袖だって嫌いだ。
長袖よりおデブちゃんに見えるから嫌いだ。
色白なわけでもないのに飛び出た腕がちゃんと膨張して見え、よりおデブちゃんに見えるんだから。
ぽ氏は年中痩せている。
痩せたい、痩せなさいよ、痩せたい、痩せなさいよを幾度となく繰り返してはお互いにため息をついている。
ぽ氏はタワシに。
タワシもタワシに。
痩せようと思って痩せられるなら痩せない。
だってすぐに痩せられるんだからいつも痩せてなくていいじゃんか。
痩せないから痩せたいのだ。
さらに今年の夏からは、朝起きると自分からおじたんの匂いがする。
昼を過ぎたら汗をかいたおじたんの匂いがする。
もう風上を歩けない。
夏なんて全くもって踏んだり蹴ったりだ。
それに比べて冬はいい。
からっからに乾いていて、音が美しい。
部屋に入ってあったかい時「あ、冬のお腹に入った」と思う。
あったかいは優しいのだ。
ケーキだって風呂場に置いておけばいいし、丸っとしているのはこの上着のせいだと言えばいい。
正月は会社も休みだし、店にはいちご味のチョコレートも並ぶ。
はぁ、はやく冬になれ。
そう言って念のため、落ちている枝を振ってみたが汗は全く止まらない。
それではみなはん、また明日。
この場所で。