さて朝から製本教室へ。
最寄駅で中学の時からのともだちを見つけて追いかけると、ちょうど停車した列車に乗り込もうと彼女が走った。
タワシはこの次の列車で行くつもりだったのだけれど走るから追いかけてしまい、ついでに列車に乗車してしまった。
これで見知らぬ人だったらいろいろ無念になるがちゃんとYちゃんだった。
彼女は中学生の頃から人間に対してはとてつもなく厳しい。
笑ってしまうくらいに厳しい。
ともだちのタワシにはめちゃんこ優しいので笑えるが、震えあがるほど厳しい。
そのくせ飼っているインコには理解が追いつかないほど甘やかしがひどい。
近所なのでいつでも遊べるのだけれど、夕方はインコを寝かしつけなければならないから家を出れない、と言う。
インコって寝かしつけるもんなんだろうか。
今朝もずいぶん早い時間にホームで会ったのでどこに行くのかと尋ねると美容室だと言う。
成人式でもないのでこんな時間に向かうなら一番乗りなんじゃないの?と聞くと、そうだと言う。
昼からはインコが起きて活発になるから、一緒にいてあげなきゃならないらしい。
だから朝のうちに用事は全部済ませたいんだそうだ。
わからない。
そのうちお受験をさせるんだろうと思う。
そんなYちゃんだが、乗り換える列車はばらばらだったのに、わざわざ遠回りをしてタワシと同じ列車に乗ってくれた。
優しすぎるだろ、それ。
そんなことだから、暑くて汗が吹き出したタワシを見てバッグからハンカチを取り出そうとしたので「それはいいよ」と言った瞬間に自分の額を拭いて「え?」と言ったのでめちゃんこハズかった。
優しさの定規じゃ何にも測れないのだ。
製本教室で豆本を作りそれを眺めながら帰る土曜のタワシである。
それではみなはん、また明日。
この場所で。