マグカップが好きだ。
冬のリビングのテーブルの上がとても似合う。
外で、知らない人ばかりで、何ひとつつまらなくても、マグカップをギュッと握っていればなんとかやり過ごせる。
安心するので少しずつ集めていた。
しかし何年か前に、増えるばかりで使いもしない、眺めるわけでもない時期が続いたのを機にほとんど捨てた。
そして今、とっておけば良かったと思っている。
揃いのマグカップじゃない、ひとつひとつのマグカップに出会うために今日は遠くまでやってきた。
ティーチャー・グーグルに聞くと電車で1時間46分、自転車で1時間37分と言われた。
なぜ電車よりも自転車のほうがはやいのか、よくわからなかったがどちらにせよ長旅になるなら楽をしようと思い、電車に乗る。
詳細を見ずに行ったタワシが悪いのだけれども、どうやら電車、バス、徒歩とトライアスロンみたいな動線らしい。
まず電車を降りてバスターミナルに着いた。
が、なかなかバスはやってこない。
あと15分あるらしい。
するとママンが、最後の「歩く」を端折りたくてタクシーで行こう、と言いだす。
タクシー乗り場へいくと2組の先客がいた。
すぐに後ろに人が並んだ。
タクシーは全く来ない。
来なさ過ぎて今度はバスが来てしまった。
だがしかしどう見てもそれはワゴン車であった。
タクシーへと鞍替えした間にバス停にも人が並び始めていたので結局バスは定員オーバーとなった。
20分後にまた来る、と言って去って行くバス。
とぼとぼタクシー乗り場へ戻る。
もちろん後ろに並んでいた人の後ろへ並び直す。
結局配車サービスを利用しタクシーで店にとうちゃこ。
あぁ、これが自転車よりも電車のほうが早く着く理由だったのか。
お目当ての小物を購入し、帰り。
バスで来なかったのでバス停がわからない。
仕方がないのでティーチャー・グーグルに再び質問。
20分ほど田んぼのあぜ道を行けば着くと言う。
歩く、歩く歩く。
バス停が見えた。
と思った、後ろからバスがやってきて、並んで、追い抜いて消えてった。
一瞬途方に暮れたが向かいのコンビニエンスストアーの駐車場にタクシーが一台停まる。
タワシ走る。
運ちゃん気づく。
乗せてくれないか、と尋ねる。
トイレに行かせてくれと言われる。
もちろん行ってらっしゃい。
ありがとう。
よろしく。
ありがとう。
で無事駅にカムバック。
便利だから不便を感じたのか、本当に不便なのかはわからない。
人生はやや、ややこしい。
それではみなはん、また明日。
この場所で。