毎日覗くスマートフォンから流れている情報は容易く信じて、家族に「アタシのあれ、どこにいった?」に対する「知らないよ」は信じない。
いや絶対あなたがどっかにやったんだよ、と疑っている。
信じるとか信じないとか言うけれど違う。
信じたいから信じるし、信じたくないから疑うのだ。
そして信じたい時も疑う時もそれすなわち自分のため。
多かれ少なかれたいていそうなんだと思うのだ。
会社の厠ではたと気づく。
それにしても厠ってすごいよね。
要らんもんを出したと思ったら、閃きを提供してくれんだもん。
素晴らしいと思うぜ。
お手洗いはいつもきれいにしとかなくちゃ、と思う。
信じて裏切られたんじゃない。
あぁ、そこに相手の言葉が伴っていたら話は少し違うけど。
信じたくて信じたが残念ながら見誤っていたのだ。
人のせいにするということは解決を放棄することってわけである。
慧眼を養うべし。
と自分に言ってみた。
さて今夜は金曜日。
お気に入りのケバブ屋さんでケバブをテイクアウトする。
お店のお兄たんに「いつもありがとござます。今年もよろしくおねがいね。」と笑顔で言われた。
別にお馴染みさんなんかじゃないのでみんなに言っているんだろう。
しかし。
なんたるジャポニズム。
挨拶ってやっぱりいいね。
さらに相変わらずここのケバブは安くてうまい。
家路についてすぐにスーパーに買い物へ。
生クリームとオレンジリキュラソーを買いに。
ウサたんと半月型の瓶を探すがない。
嘘だろ?
どこにでもあるだろ、普通。
しかしないものはないので諦め、自転車を漕ぐ。
そしてはっと気づく。
スーパーの帰り道には、おじいたんがレジに座っていっつもテレビを観上げながら店番をしている酒屋さんがある。
またおじいたんテレビ観てるよ、と思いながら素通りしていたが、今夜初めて入ってみるか、と思いつく。
だってキュラソーもお酒だもの。
初めて聴くおじいたんの声。
なかなか優しい。
「すみまへ〜ん。お菓子用のお酒ありますか。」と聞いてみる。
少し足を引きずって歩くおじいたん。
「お菓子!?あったかなぁ。」と言いながら探してくれる。
店の端の角っこに埃まみれのオレンジうさたんがいたーっ!
「これです!」とタワシ。
「あぁ、そうか。あれ?値段がねぇな。よし!200円でいいよ。」とおじいたん。
「ありがとうございます!」とタワシ。
おじいたんは埃だらけのキュラソーを手のひらと服でしっかりと拭いてくれた。
オープン当初から一つも売れてないのかもしれない。
しかし、こういう日がとても好き。
幸せだなぁ、と思いながら少しずつ優しい気持ちが戻ってくる夜。
いいね。
それではみなはん、また明日。
この場所で。