お墓参り

6時半に起きる。

片道3時間ほどかけて友だちのお墓参りに友だちと行く。

1年に1回この時期になるとどちらからともなく連絡を取り合い日取りを決め、そして列車ではお互い、この1年のこととか最近こんなことがあったよ、今こんなことにハマってるんだよ、と話しながらわいわいと遠足のようなお墓参りを楽しむ。

1年に1回、彼女のお墓参り以外では来ることのない遠いこの街はずっと変わらない。

初めて行った時からある駅前の花屋さん、そこで店番をしている穏やかで優しいおばあたん、やっているのかただ置きっぱなしになっているだけなのかわからない喫茶店のレトロな看板、不思議な名前のコインランドリー、新聞屋さん、金物屋さん、川、橋。

そして去年来た時にオープンしていたフルーツ屋さんがやってるサンドイッチ屋さんは、来年あるかなぁ、なんて言いながらサンドイッチを買い駅のホームで食べたんだけれど、今年も立派にやっていた。

今年もひとつずつサンドイッチをいただく。

店主が「518円で510円になります」とたしかに今思えば言っていた。聞き流していたので520円をトレーに置く。

店主がレジにお金を入れようとして「あっ」と言う。ん?どうしたんだろう、と思う。「518円ですが端数は頂いておりませんので10円をお返ししますね。」と言われる。

10円玉を手に取るとそれは先程タワシが手渡した茶色い10円玉ではなくピッカピカの銅色をした10円玉だった。

なんかこういうもてなしってそうそうできない、というか思いつきもしないなぁ、とあったかくなる。

さらにたったひとつ買っただけのタワシにとても丁寧に接客をしてくれたことも嬉しかった。

そういえば去年は男性が接客してくれたけれど彼も丁寧だったな、と思い出す。

欲しいものを見つけて値段を確認し、その値段に納得して商品を購入する。

それだけのはずが、良い接客にぶち当たると商品以上の価値を受け取った気がして、やっぱりあったかくなる。

このサンドイッチは美味しかったけれど、もしも普通のサンドイッチだったとしても来年も買うだろう。

人の態度にはそれくらいの価値があるのだ。

結果だけが求められがちだけれど人はその間にある人との関わり合いを通して自分にとって大切なことがなんなのかを知るんだよなぁ。

 

行きの列車はタワシの話が止まらず、帰りは友だちの話が全く止まらなかった。

待ち合わせ場所に戻ってきても話足らず、駅前のサイゼリヤでさらに話す。

また来年会おう。

あ、いや『道草 問答』に来てくれるってさ。

また近いうちに会おうね。

ありがとう。

 

それではみなはん、また明日。

この場所で。

 

「道草 問答」Instagram

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