職人の仕事

「大工さんが来るからうちにいてくれないか」と言われて今日も実家へ。

床を踏むと凹むのだ。

原因は白アリらしい。

底が抜けたら足を怪我するな、と思っていたので大事に至る前に修理してもらって良かった。

大工のおじいたんがリビングの扉をノックした。

「はい。」と言うと「ちょっと見てもらいてぇもんがあるんだけど。」と。

うちの古い床材はもうどこにも売ってないのでこれが1番色が似ているかなってのを持ってきたらしい。

「でもさ、床一枚の幅がちょっと違うのよ。で、これをこんな風に真ん中の線だけを合わせて貼るか、全体的にちょっとずつズレた形で貼るか、若い人に決めてもらったほうがいいんじゃねぇかと思ってさ。」と笑った。

好きな笑顔だ。

タワシは「そうっすねぇ。色が似てるからどっちでもいいと思うけど真ん中が合ってるほうがいいかもですね。」と答えた。

すると「はい、じゃあ真ん中ね。」と言って作業に取り掛かったのでリビングへ戻る。

するとまたトントンと音がした。

「何度もごめんねぇ。やっぱり全体的にズレてるほうがいいわぁ。こっちでいい?」と言う。

もちろんプロの目のほうが正しいのでそれでお願いした。

 

畳のふかふかも見てくれた。

こちらは土台が低すぎるらしい。

天井が低かったらしく、嫌だと言ったら床を下げた、というのが原因らしい。

ママンは「一軒家はやったことがあったけど、アパートを建てるのは初めての大工さんだったんですよねぇ。」と言った。

すると大工さんは「土台は低いけど、しっかりした仕事だよ。初めての大工にこんなもん作れねぇよ。」と褒めてくれた。

 

このおじいたん大工とうちを建ててくれた大工さんには何の縁もゆかりもないけれど、仕事を見たらわかるっていうのはなんかいいなぁ、と思った。

どこかで誰かが見ているっていうけどホントにそうなのかもしれないな。

自分の知らんところで自分が頑張った痕跡を見つけてくれる人がいるかもしれない。

がんばれる時はやはりがんばろうと思う。

 

それではみなはん、また明日。

この場所で。

 

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