捨てる捨てない。

朝からケンカ勃発である。

床下の工事のために箪笥に入っている服やらなんやらを全て今日中に出さなきゃならないので、ぐうたらしているママンとパパンに喝を入れる。

スーツなど着なくなってうん十年と経つのに、これは着れる、これはウエストを直しに出せば着れる、ジャケットだけはちょっと出かける時用に取っておこう、と全然捨てる気配がない。

タワシは「着ない。直さない。捨てなさい。」をヘビロテしてジャカジャカ捨てていく。

途中で諦めたようでパパンは素直に捨てていく。

ヨスッ。

パパンは終わり。

次はママンだ。

全て着ると言って手放そうとしないので

「じゃあまず着てみなはれ。入らなければ捨てなはれ。」

と言う。

ふらつきがあるのでハードワークかな、と思ったが、何着か着ていくとスピードが上がった。

さらに危なっかしい足取りでいちいち鏡の前まで行きポージングをするのだが、足取りもどんどん軽くなる。

良いトレーニングになったようだ。

それにしてもスカートのホックは最大限に息を吐かなきゃとまらない、ズボンはタイツ並みにピチピチなのに「入った!」と言って捨てない。

「そんな古いシルエットはもう誰も着てない」

と言えば

「バカじゃないの?みんな着てますけど。」

と返ってくる。

「同じようなもんばっかじゃないか。どれかふたつは捨てなさい!」

と言えば

「うるさいっ!好きだから同じなんだよ!」

と怒り狂う。

強制的にゴミ袋に入れれば

「あとで拾ったるわい」

とやり返してくる。

もはやケンカをしているだけで全く整理になっていない。

そのくせ、タワシがコドモの頃に作ってあげた七宝焼きのブローチは

「いらない。」

と言って捨てようとするので

「これはタワシが児童館で作ってあげたやつじゃん!」

と怒鳴ると

「う〜ん…ごめん。でもやっぱりいらない。」

とか言う。

なんじゃそれ、ウケるやろ。

そんなもん、タワシが捨てさせるわけないだろが!と言って戻す。

ふぅ。

永遠に終わらない。

終わる気配がない。

 

それではみなはん、また明日。

この場所で。

 

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