ママンと銀座へ。
『野の花司』へ行く。
こちらはいわゆる街の花屋さんではなく、名前の通り野の花を扱う店である。
ママンの影響で、こういういびつな形と華やかさに欠ける佇まいにとても惹かれるのだ。
松ぼっくりのひらひらとひらひらの隙間に苔が生えていて、松ぼっくりの頭から知らない草がピコンと飛び出している「苔ボックリ」がめちゃんこかぁいくて欲しくなる。
欲しくなるが、お値段もお値段なので無職のタワシは見なかったことにする。
するとじっくり松のコドモみたいなのをじっくり見つめていたママンが
「あ!上野のグリーンクラブにも、かっわいいのがいっぱいあるし、安いよ!」
と言った。
どうやら盆栽がわんさかあるらしい。
やべぇ。
行きてぇ。
ということで上野へ移動する。
上野公園を通り越してズンズン道を進む。
ママンからぷっぷくぷっぷく音がするので「ねぇ、何?」と聞くと無言で頷く。
絶好調なのだそう。
グリーンクラブへとうちゃこ。
盆栽ランド、降臨。
テンションが爆上がる。
自分がミニチュアになった気分で木を見上げると、この大木が自分だけのものみたいな気がして寒気すらする。
ここには宇宙がある。
見ているだけで世界を手に入れることができる。
ぽぅっと見つめている間にママンがなんやかやと爆買いしている。
最近この人は、どう考えても入るはずのない小さなリュックひとつで出かけては、ここぞとばかりにデカ物を爆買いし「これ、リュックに入るかなぁ。」と言いながらタワシのバッグを見つめる戦法でくる。
知能犯である。
今日もデッカい荷物を持って歩くタワシである。
まぁ、ママンが元気で良かったよ。
それではみなはん、また明日。
この場所で。