店に行くと宮様楓の枝先から葉っぱがモサモサ生えていた!
なんてすてきなタイミング。
購入した翌日に芽吹くなんて。
その瞬間を見れるなんて。
放っておいたらずっと見惚れていられる。
「自然」の生き様は良くも悪くも力強い。
もしかしたらこの次の瞬間にパカッと葉っぱが開いたりするんじゃなかろうか、とか思う。
だから目が離せなくなる。
何年か前の夏、まだ穏やかな気持ちで働いていた夏のある日、蝉が孵化するのを目の当たりにしたときもそうだった。
結局そんな、早送りみたいにはいかないんだけれど、それでもみるみるうちに薄いエメラルドグリーンのかたまりが羽根になったのには、チンケな言葉だが感動した。
日にちが来れば銀行からマネーがガッチャンコガッチャンコと面白いように落下する夕日で、メチャンコ震えあがるが、そうだったそうだった、いつもこの恐怖に耐えられずに焦って仕事を探すのだ。
そうだ、知ってんだ、この感覚。
と思ったら1ミクロンだけ安心した。
さらに店があって良かったと思う。
静かな部屋で寝っ転がっていると夏休みを思い出す。
痛いくらいの太陽。
光。
暇。
いつだって自然の力を思い知らされる。
タワシはこの店はむかーしむかし、優しいおばあたんの仏間だったんだと勝手に思い込んでいる。
そう、のび太のおばあたんのように。
勝手に想像してここにいると安心している。
自然は天才で、人間は秀才。
人間は自然には勝てやしない。
謙虚でいよう。
そろそろ太極拳に行かねば。
ヨスッ。
それではみなはん、また明日。
この場所で。