さてさて。
遠くまで来たもんだ。
恋焦がれる会社はうちからかな〜り遠いのだ。
しかしそんな事はなんでもないくらいに恋焦がれた会社なのだ。
無事に面接が終わった。
美味しい夜ご飯も食べた。
あとは電車に揺られて帰るだけである。
電車というものは朝より晩のほうがドラマがある。
疲れてはいるけれどほっとした顔や、楽しそうに話すふたりや、肩にもたれて寝ている子らの昼間のストーリーがそっと見え隠れしている。
暗いせいでどこも同じに見える景色。
ガラス越しに映る人々はだれもが携帯を見ているが、どことなくその表情は柔らかだ。
なんとなく、すべてがうまくまわり始めている気がする。
やっと。
今日の気持ちを忘れないようにする。
たのしく生きていくと決めた夜。
ありがとーって叫びてぇ。
叫ばないけど。
それではみなはん、また明日。
この場所で。