オヤジが退院した。
風を拗らせて先週入院したのだ。
もともと野球をやっていたくせに今ではパソコンで麻雀かテレビで時代劇を観ることしかしなくなって全く運動をしないので家族総出で怒り狂っていたが聞く耳持たずの頑固オヤジである。
そんなオヤジが入院して歩くのもままならなくなったので、このままかなりの認知症となり車椅子の生活が始まるかもしれないな、と覚悟をした。
もう歳だし、受け入れなければならないな、と。
しかし熱が下がったあたりから割としっかりしてきて、歩くこともできるようになったということで一安心したのだった。
そしてやっと退院。
元気を取り戻したオヤジから電話がかかってくる。
「まだ迎えに来ないのか。」と。
ワガママオヤジめ。
オヤジの顔を見たとたんにタワシの激怒が止まらない。
看護師さんも手を焼いていたと思う。
大変お世話になりました。
家路につき、リビングへ入ろうとするオヤジを制止し、そのままシャワーを浴びさせる。
清潔は大事だ。
なんだかんだとうるさい娘がいるがやはり家が落ち着くようだ。
運動をしないで体力がなければ風邪でも入院することになるのだ。
入院が嫌だったならちゃんと運動をしておくれ、とピシャリと言ってから帰ってきた。
溜まった疲れが一気に飛び出し悪夢を見ながら昼寝した。
夕方になって無印へ散歩にいく。
自転車をぶっ飛ばした帰り道、正面に花火が咲いた。
金鳥の夏か。
あれもこれも全部思い出になっていく。
それではみなはん、また明日。
この場所で。