ムムムムム。
はやく帰ろうと思って会社を早く出たんだけれど、この時間だとどうも好きな乗り継ぎがない。
一気にうちの近くまで行ってくれる列車が、空が白い時間には走ってない。
タイミングが悪いのか、良いタイミングがこの後の人生で連発するのを待っているのか知らんけど。
どこかで一度降りれば一気に行ける列車に乗り継げるんじゃないかと急に思いたち、ドアが閉まる直前で列車を降りてみた。
それから駅探で検索したら全く同じ経路しか出てこなくて、ただ一本分遅く着くだけだった。
考えてみるとタワシは失敗を悔やみ、それを経験に変えて前進することが、あ、いや繰り返しているだけかもしれないが、とにかく失敗という経験は豊富かもしれなくて、少なくともそれをバネにしようと目論んではいるのだ。
今日、会社に会長が出社していた。
面接の時にタワシの念力動画を見せられなかったことを思い出し、そんな些細なことを覚えちゃいないよな、とは思いながら、でも見せたいなとか思ってしまい、そろりそろりと会長のところへ行き「覚えていないとは思うんですが、念力動画、これです。」と話しかけてみた。
会長はきっと覚えてなかったんだろうけれど動画を見て「え、今度ここでやって。」と言った。
タワシも調子に乗って「いいですよ。」と言った。
やる時は訪れないとわかっていて調子の良い返事をしたのだ。
それが何だ、と言われればそれまでだが今思い返してみれば、よくもまぁ話しかけたもんだ、と思う。
そういう雰囲気がある会社だということが多分にあるが、それでも過去の失敗や後悔を経て無謀にも会長に「念力が…」とか言ったもんだ。
タワシ君、よくやった。
と今夜は自分を褒めてやろうと思う。
それではみなはん、お手を拝借。
さぁさ、みんなでパパンガパン。
タワシに乾杯。
また明日。
あ、ここでもっかい降りてみよう。
再チャレンジである。
これならイケる!
やはり今夜は乾杯なのだ。